台湾運動部を新設 初代部長に東京五輪金メダルの李洋氏

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初代の運動部長は東京五輪とパリ五輪で金メダルを獲得している李洋氏
初代の運動部長は東京五輪とパリ五輪で金メダルを獲得している李洋氏

【台北訊】台湾では9月9日が「国民体育日」と制定されている。これに合わせて台湾はこのほど、新たに台湾運動部を正式に発足させた。初代の運動部長は2020年の東京五輪とパリ五輪のバドミントン男子ダブルスで金メダリストを獲得した李洋氏が就任した。

発足式典は賴清德総統の立ち会いで行われ、李部長は部長印を受け取り、正式に初代運動部長として着任した。

総統賴清德(中)、行
政院長卓榮泰(左)と初代の運動部長李洋(右)
総統賴清德(中)、行 政院長卓榮泰(左)と初代の運動部長李洋(右)

就任演説では「私は一人のアスリートとして、数々の挑戦と成長を経験してきた。だからこそ選手の声を理解し、台湾スポーツの課題を深く認識している」と強調し、政策の重点として、全民運動の推進、競技スポーツの構造と制度の整備、国際大会の開催能力と認知度の向上、スポーツ産業の発展、サステナビリティと多様性の実現、そして青少年や基層選手の育成という6つの方向性を掲げた。「私は挑戦が好きで、仲間と勝利を分かち合うことに喜びを感じる。これからもスポーツ精神を大切に、一歩一歩新たな里程標を築いていく」と意気込みを語った。

また、台湾のトップアスリート育成を目的とする「黄金計画」についても言及。すでに第3.0段階に入っている同計画を継続的に見直す方針を示し、とくに18~24歳の潜在能力のある選手に焦点を当てると強調した。

台湾運動部の発足式典
台湾運動部の発足式典

さらに新制度も発足させ、既存の第1級(1500万台湾元)、第2級(1000万)、第3級(800万)に加え、18歳以下を対象とする第6級が新設され、半年ごとを原則に競技成績を検証する仕組みも導入する。

李氏はさらに「全民運動を最優先に推進し、国民一人ひとりが運動を生活習慣として根付かせられるようにしたい」と述べ、自らも率先して行動すると強調。「運動部の職員には毎日30分以上の運動を習慣づけてもらいたい」と呼びかけた。

発足式典のパフォーマンス
発足式典のパフォーマンス

新設された運動部は、台湾におけるスポーツ政策の司令塔として、国際競争力の強化から国民の健康促進まで幅広い役割を担うことになる。

2025.09.18